ニャミズ

ニャミズは、熱帯・亜熱帯の清らかな湧水地や蓮の葉が浮かぶ静かな沼に生息する、非常に珍しい小型の幻水獣です。体色は空や海を思わせる鮮やかな水色で、光を反射してキラキラと輝きます。 1. 外見的特徴 体: 丸々としており、非常に柔らかく、表面は常に水滴で潤っています。この水滴は周囲の湿気を吸収し、体を乾燥から守る役割があります。 頭部のヒレと耳: 頭頂部には小さなヒレがあり、水中を泳ぐ際の舵取りに使われます。耳は猫に似ており、非常に優れた聴覚を持ち、わずかな水の流れの変化や周囲の音を察知できます。 泡の首飾り: 最大の特徴は、首元に常に浮かんでいる真珠のような泡の輪です。これはニャミズが作り出す特殊な泡で、水中で呼吸するための酸素を含んでいるほか、外敵を惑わすための目眩ましとしても機能します。 瞳: 大きな黒い瞳は、水中の光量の少ない場所でもクリアに周囲を見渡すことができます。 2. 行動と習性 移動: 地上ではよちよちと歩きますが、水中では尾を器用に使って高速で移動します。 食性: 主に沼に生息する小さなプランクトンや水草の種子を食べます。非常に臆病な性格で、日中は蓮の葉の下や岩陰に隠れていることが多く、夜明けや夕暮れ時に活動します。 鳴き声: 警戒している時や仲間を呼ぶ時には、「ミズニャ!」という可愛らしい高い声を発します。 特別な力: 危機が迫ると、体表の水滴を一気に放出し、霧状のバリアを作り出して敵から身を隠します。放出された水滴は一時的に周囲の生物の動きを鈍らせる効果もあるとされています。 3. 人との関わり その愛らしい姿と、生息地の清らかさから、ニャミズは「清流の守り神」として一部の地域で崇拝されています。その泡の首飾りを身につけたニャミズに出会えると、その日一日の幸運が約束されるという言い伝えがあります。

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